第4章 .虚構の手紙
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幸せだった
ひとつ屋根の下
5人でご飯を食べて、
団欒や娯楽を楽しんで、
ふかふかなベッドで眠る
そんな日々がすっごく幸せに思えた
けど、幸せってものは長くは続かないもの
2度目の人生を得てはっきり分かったわ
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私たち5人はある日の夜
何者かによって起こった火災で生命の危機と巡り会った
飛び起きた私たちは5人で身体を寄せ合い、助かる方法を探した
そして火が裏口にまで届いていないことが分かり、そこから非難することにしたの
煙を吸いすぎて一酸化中毒になりかけていた
七都ちゃんを先に非難させることにしたのは正解だった
七都ちゃんが外に出てすぐ、
火は私たちの周りを囲み踊り始めた
悟ったわ、助からないって
だから、私たち4人は覚悟をした
雄斗「死ぬのに恐怖を感じないことは無い
だが、俺達が死んで一番恐怖を感じるのは七都だ」
愛斗「死んだって、あの子のことを見守る
だって俺たちは兄貴だからな!」
陸斗「アイツはまだ弱ぇ
強くなるその日まで、過保護でいたっていいだろうよ」
花歩「幸せを掴んで欲しいわ」
外からは七都の叫び声が聞こえてくる
あぁあぁ、そんなに叫んだら声が枯れちゃうわ
そんなに泣いたら目が腫れちゃうわよ
「「「「「怖がるな、前を向け」」」」」
あの子にちゃんと届いたかは分からない
私たちの意識はここで切れた
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