第4章 .虚構の手紙
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お互いが落ち着いたところでとどめていた本題に入る
クムユ「で、「あの子を守って...」ってどういうことなの?
"あの子"が指しているのは
七都のことで合っているかしら」
いつしか聞こえてきたカホの声
それが示したのは何だったのか
分からないのなら、確かめるに限る
今は目の前に本人がいるのだから
カホ「ええ、七都ちゃんのことで間違いないわ」
何かを思い出すように目を閉じる
思い出したのであろうか、
カホの表情は先程以上に穏やかであった
カホ「私は、あの日に死んだわ
でもね...
それで人生が終わったわけではなかったの」
神様が私に2度目の人生を与えてくれたわ
有り得ない、と思いたかった
2度目の人生なんて無いと思ったし
神様も居るはずがないと思っていた
黙っている私を置いて、カホは淡々と話し出す
カホ「2度目の人生は少し長く生きれたの」
その2度目の人生も、もう終わってしまったのだけれどね
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