第4章 .虚構の手紙
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カホ「私は知っていたわ
スーヴァニアがスパイだってこと...」
クムユ「え...どうして」
驚いたクムユは俯いていた顔を上げた
目に映ったカホの顔は悲しそうな微笑みをもらしていた
カホ「あの子ね、私たちに手を出す前に言ってたの
【ごめんなさい】って...たくさん、たくさん言ってたわ
その時思ったの...
いつも私たちと出かけるとき、海のある方を眺めて悲しそうな顔をするのを良く見たなって
あの子、外から来たでしょ?
もしかしたらって思ってたの...」
カホの言葉を聞いて何も言えなかった
確かに私もそんなスーヴァニア顔を見たことがあった
なのに何も気づくことが出来なかったのだ...
カホ「だから、あの子のこと責めないであげてね
私は良いのよって言ったの...
だから私が死んだのは私が望んだのよ」
それがあの子の救いになるのなら______
クムユ「...そうだったんだ
私、ずっとお世話になってたのに何も気付くことが出来なかった
気付いていたら、何か出来たかな...」
再び俯きかけたクムユをカホは優しく撫でていた
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