第4章 .虚構の手紙
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アレン「おいッお前んとこのお嬢様はどうなっちまったんだよ!!」
仲間が次々と殺られていく様を見ている
もちろん自らも自分を今にも殺しかねない訳の分からない敵と戦闘中である
スーヴィニア「...クムユ様はご自身の能力に飲み込まれようとされているところですッ」
クムユの様子は先程より酷くなっていて立っているのもやっとであったようで崩れるように膝が曲がり座り込んでしまった
そんな様子を目にしたスーヴィニアの顔は歪み、口はパクパクと震えていた
彼女は後悔していた
最初こそは目的のために手段を選ばなかった
海で溺れたふりをし、旦那様と奥様のところへするりと転がり込む
そして時が来たら、目的を達成するために手段など選ぶつもりはなかった
でも、世話係として彼女達の傍に居るほど彼女達の温かさにずっと触れていたくなっていた
その気持ちを心の奥底へと隠し込み今日という日を迎えた
...はずだったのに
スーヴィニア「...ごめ..なさい......ごめんなさいッ
...こんなつもりじゃ、なかったッ」
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