第3章 .届かない想い
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私はずっとこの島の名前は金木犀が由来だと思っていた
両親からもそうだと聞いていたからだ
本当は知ってたのではなかろうか....
知ってて黙っていた?
クムユ「もし、木星の民がこの島の人のことを指していたら
............どうなるの」
トックは眉尻を下げ困った顔をした
14歳になったばかりだが
大人と言うには幼すぎて
子供と言うにはもう色々なことを知っている
だからきっと、私にどう伝えたらいいのか
悩んでいるというところだろう
トック「あのねクムユちゃん
もし本当に木星の民がこの島の人間のことを指したとなれば、
それはきっとこの島の危険を意味する
この島の人間を生贄として差し出せば、差し出した人間の失ったものを蘇らせることができる
この事を知っている人間が島の外に居るとして考えてごらん」
.....
クムユ「...みんなが危ないッ」
失ったものを蘇らせようとしてこの島を訪れた人間が居るのだとしたら
その人間達はこの島の人間を月に生贄として差し出すだろう
きっと躊躇うことも無く...
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