第3章 .届かない想い
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不思議な島であることは分かったであろう
トック「立姿か、、、私たちにとって良い日では無いな」
そんな日に誕生日を迎えた私
..........嫌な予感しかしない
トック「確か言い伝えの書があったはずだ」
そう言って近くにあった医学書まみれの本棚を一番上の端から下の端まで探しだした
言い伝えの書は案外早くに見つかった
それもそうだろう、ひとつだけ古ぼけていてぼろぼろな雰囲気を醸し出していたのだから
古い言い伝えにはこう書かれていた
"立姿と呼ばれる暦の晩
赤き月の力を借りたくば
木星の民を生贄としてよこせ
さすれば失せものは再びこの地へ蘇る"
スーヴェニア「木星の民とはこの島の人間のことでしょうか」
カホ「島の名前もモクセイ、これはそうとしか思えないわね」
私はそんな会話を耳に入れながら窓の外で島を照らしている赤い月を眺めていた
昼間を照らす太陽とは打って変わって恐ろしい
きっと今宵は何か良くないことが起こる
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