第3章 .届かない想い
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失せ物
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...この島には二つ名が存在する
その名は島民には決して意味の無い名前で、今の今まで忘れていた
あまりにも平和なこの島は別名[拾い島]と呼ばれている
これは外(余所者)から付けられた名
由来は分かっている
スーヴィニア「今日こんにちの暦は立姿(たちすが)
.............蘇りの日でございます」
立姿と呼ばれるのは今宵の月にある
木星をまるで嘲笑うように赤く染った月が夜空の星に囲まれている
白く輝いていた月とは一変、別人のように見える月は星に埋もれることは無く自律していた
島の人間はその自律している月を皆が座る中、率先して立つ姿として例え
今宵の暦を立姿と呼ぶ
そしてその月は木星を嘲笑う
今宵はこの島の人間が"蘇らせる"ための対価となる日
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