第3章 .届かない想い
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カホ「スーヴィニア、今日は島の誰かの家に泊めてもらいましょう」
スーヴィニア「そうですね、クムユさまの体調も心配ですし医者のところが良いかと思います」
それでいいかしら?と聞いてくるカホに私はまた頷いた
なぜこんなにも怖くて落ち着かないのかな
帰ろうとしていた方向には木々の隙間から私達の家がちらちらと見えていた
思い出の詰まった大好きなあの家は、今見れば恐ろし感じてしまう
私の勘であったが今あの家には誰かいる
本当ならば今は誰もいないはずの家から気配がした
何者かは定かではないが、家に帰れば良くないことが起こってしまうのは明白であるだろう
スーヴィニア「大丈夫ですよクムユさま」
スーヴィニアの手が私の頭を優しく撫でた
この手の温もりが離れぬよう私はその手に自身の両手を重ねた
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