第3章 .届かない想い
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何分の間...いや、何時間カホの腕の中で泣き続けたのだろうか
私には分からなかった
ただただカホが目の前に居ることに嬉しさと喜びが私の胸を埋め尽くしていた
クムユ「...ッ.........ヒクッ...」
カホ「そろそろ泣き止んだらどうかしら、」
クムユ「ッだって...だって!」
あの時、私の目の前で失った大切な人
そのカホが目の前に居るんだもの、泣かないわけがない
でも私の口は「だって」から先の言葉が出てこなかった
カホ「...あの時あなたを1人にしてしまってごめんなさい
でもね、あなたを救えたことに後悔は無いわ」
カホの言葉にあの時の記憶が鮮明に蘇る
あれは20年以上も前のことだ
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