第19章 〜相澤消太〜主目線
桜咲く入学式、私は雄英高校の門をくぐった
いきなり私が雄英高校に行くと宣言したら、パパは大慌てだった
そりゃそうだろう 私の個性なんかヒーローになんか全くを持って使いモノになるわけもないし、その事については十分理解している。
だから雄英には普通科もあるから問題ないだとか、出久くんもいるから大丈夫だと説得したけど 苦い顔を向けながら近くに女子校もあるじゃ
ないかなんて逆に丸め込まされそうだった
本当はこんな時にばっか頼ろうとするのは卑怯だと思った。
だけどこのまま自分の気持ちに整理をつけなければ前には進めないと思った
「だ・・・大丈夫!!雄英には消太くんがいるから!安心!ね?」
縋るように手を握りしめて力説する華に秋彦は はぁっと溜息を吐いた
「消太には雄英に行くってちゃんと言ったのか?」
「!!するっ!まだしてないけどちゃんと言うから!」
「迷惑かけないようにしろよ」
やれやれと言うようにソファから立ち上がり、風呂に入って来ると言うと扉の向こうに消えた
消えた扉を見つめて大きな安堵の息を吐く ・・・嘘、ついちゃった。
※
雄英高校に進学する事を今日まで消太くんに言わずに入学式まで来てしまった
言おうかどうか凄く迷った
だけど連絡しようと思って携帯を取るけど、どうしても番号を押せなかった
唯一救いだったのは消太くんが家に来なかった事 お陰でパパ達にバレずに済んだ
入学式はヒーロー科抜きで行われた。その事に私はほっとした。だってこれなら早い段階で顔を合わせることもないしバレない。
少し肩の力が抜けて前を向いていたら、後ろからなんだか嫌な視線を感じた
ゆっくりと振り返ると今日は見たくなかった人物と
バッチリと目が合った・・