第17章 〜轟焦凍〜体育祭後
だけどこっちの心配もよそに、彼は自分の個性で楽々突き進んだ
個性で凍ったロボインフェルノの下を走って通り抜けてそれに続こうと他の生徒が近付こうとするとバラバラと崩れて行く手を妨害していた。
その様子をモニター越しで見ていても、凄いと思ってしまった
「イケメンの上に強い個性来たーーー!」
と夢ちゃんは目を輝かせて興奮している。
うーむ、これは男女問わずにファンが増えそうだなぁ
しみじみとそう思ってしまった あのルックスに個性なんて誰でも気にはなる、そう、誰でも・・・・・
華は以前触られた髪を掴むとギュッと口を結んだ
「?どうしたの?華ちゃん何か難しい顔をしてるよ?」
「えっ!・・・・そうかな?みんな凄くて口に力入っちゃった!」
あはは〜といつのまにか首を傾げてこちらを見ている夢ちゃんに誤魔化すように笑った
いけないいけない、みんな頑張ってるのにこんな難しい顔をしていたら変に思われるっ華は気合いを入れ直すように画面を見つめた。
頑張っている姿にこんな感情が湧くのは場違いだ
そう、すごい光景だからこんな気持ちになるだけだ
華は何とか自分の感情に蓋をした