第17章 〜轟焦凍〜体育祭後
今日は雄英の体育祭だ
観戦者やマスコミも凄い数
お目当は殆どが1-Aなんじゃないんだろうか
観戦席に腰を下ろしながらいまだ現れない生徒達をみんなまだかと待ちわびる
「なんかこの歓声の中での競技は緊張しそう〜」
と零したのは同じクラスの夢ちゃんという唯一の友達
「そうだねぇ〜・・・あっ!ほらほら入場してきたよ」
一際歓声の高い集団に目線を向けると見知った顔の生徒が次々と入場していた
その中でふと見つけた人物にドキリとした
じーっと見つめていれば、こちらに気がついたように目が合う髪の間から見える緑の目に目線が反らせなかった
「ふぇ〜あの男の子 綺麗だねぇ・・・・って男の子にこんな事言っちゃいけないか、イケメン・・・うん、イケメンだ!」
「えっ!!あ・・・そうだねっ。夢ちゃん興奮しすぎっ!」
はっと夢ちゃんの言葉に気がつくと、慌てて目線を逸らしながら答える
いけないっ!また目線を逸らしてしまった
ここ最近、轟くんには目線を逸らすか逃げるかの失態しかしていないような気がする
だっていつも予想の斜め上をいく行動をする
普段、異性との距離を置いている華にとっては戸惑ってしまう
もう何年も側にいる出久や勝己ならともかく対応に困る
知り合って間もないけど何となくわかる。轟くんはとてもストレートだ
感情も行動も全て直球だ たまに天然ですか?と疑いたくなる行動をするけど嫌ではない
そうこうしているうちに第1種目が始まった
競技が始まって、みんな我先にと小さなゲートへと走っていく
うっ、もみくちゃ痛そうと顔をしかめながら見ていると急に氷が迫って来て轟くんがゲートから飛び出して来た
凄い凄い!轟くんの他に1-Aの生徒が飛び出してくる。
やっぱり他の生徒と一歩違う
ヒーローを目指している人たちだと贔屓目に見ても他のクラスの生徒よりも対応能力が早い
轟くんが独走かと思っていたら、仮想敵のロボインフェルノというのが無数に立ち塞がっていた
無理無理無理!絶対に潰されるか飛ばされるっ!青い顔をして見ている私の横で友達の夢ちゃんも「あんなの無理ーーーー!」
と頭を抱えていた