第16章 〜爆豪勝己〜体育祭後〜
「大丈夫、どんな勝己でも私はちゃんと見てたから、あんなすごい力で守ってくれてたんだね、ビックリしちゃった」
「・・・・華・・・」
へへっと笑う姿に俯いた顔を上げる
「俺はもっともっと練習して、クソ強くなって腰抜かしたる」
「うん、楽しみにしている」
何時もの調子の口調に戻ったことに安心したのか、ほっとしたような顔をしながら華は笑った
この笑顔がずっと見れるなら隣でずっと守ってやる
そう思いなおして腕に触れていた華の手を取る
「えっ?あの、か・・勝己!」
「何だよ、帰んねぇのかよ?」
「いやっ!帰るけど手!手!」
「手ぐらいケチケチすんなよ」
手を取って恋人つなぎのように握ったらそのまま歩き出そうとする勝己を慌てて止めた
「だっ・・・・だって付き合ってもないのにこんな手を繋ぐなんて恥ずかしいじゃんっ」
「お前何でもするっつったよな、そうだ!これから手を繋いで帰りゃ慣れんじゃね?」
「・・・・・・。」
「おいっ!俺の意見無視すんじゃねぇっ!」
「無視してないよ?聞いてないの」
「一緒じゃなねぇかっ!クソがっ!」
ブツブツ言って手を繋ぎながら怒る勝己にほんの少し笑ってしまう
まぁ、今日くらいはいいかなと繋いだ手を離さずに歩き出す
繋いだ手は思ったより温かった。