第16章 〜爆豪勝己〜体育祭後〜
〜華目線〜
今日は雄英高校の体育祭だ
毎年雄英高校の体育祭はメディアに取り上げられるくらいに話題でマスコミも応援も規模が大きい
こんな大勢の前で個性出すなんて、私なら死んじゃう!っとブルっと身震いをしながら応援席にいる友人の隣に座った
「華ちゃん風邪?」
「あ、大丈夫大丈夫、沢山応援しようね」
友人の夢ちゃんに心配されて、話を逸らすようにグラウンドに目線を向ける
目線を向けると、丁度1-Aの生徒が入場していた
見知った顔がゾロゾロと見える中に勝己の姿も見つけた
「あっ!あのツンツンの人!怖い子だよねっ」
言いながら夢ちゃんが指差したのは勝己で
まぁ、あの目つきであの口の悪さだったら怖いよなぁとハハッと笑った
あれ以来、何故だか名前で呼ばないと返事をしてくれなくなった
苗字で呼ぼうものなら全力で無視をする
子供かっ!と思いながら名前で呼ぶと「何だよ!」と言いながら振り向く
面倒くさいなっ!って思うけど、ちゃんと返事をしてくれるところは素直だ
選手宣誓に勝己の名前が出た時には驚いたと同時に嫌な予感しかなかった
「俺が一位になる」
案の定、周りからのブーイングなんてなんのそのな発言をして壇上を降りる様子に、何時もの不敵な笑みはなくて何となく私の中で違和感を感じた。
あれってもしかして、あんな風に逃げ道なくして自分を追い込んでるんじゃないかと思った
真剣な様子で列に戻ろうとする勝己とほんの一瞬だけ
目があった
ような気がした