第13章 俺だけを見て〜轟焦凍〜体育祭前〜
今日も華は俺と目が合うと気まずそうに目を逸らす
その伏せた顔も可愛いと思っちまうのはあの時に受けた個性のせいか?
嫌、そんなわけない華の個性は2〜3日で治るって後から緑谷から聞いた
華があまり個性を出したがらないのはそういう事か
そりゃ自分の意思の反してあんな個性がバンバン出ていたら嫌にもなるだろう
今は少しはコントロールできるようになったと聞いたが、じゃあ昔は?
幼い頃から一緒だったという緑谷や爆豪にもかけていたんだろうか
彼等もまた、あの甘いクラクラとした感覚を何度も味わったのだろうか?
何故だろう、なんだか胸のあたりが妙にザワザワとした
今日も華は緑谷に会いに教室に来ている
楽しそうに話している様子に少なからず何を話しているのか興味を持った
ふと華の後ろに目を向けると峰田が何かブツブツと言いながら華を見つめている
僅かに聞こえる声は「この距離でこの角度から飛び込めば・・・・」
アイツまさかっ!!ガタッと立ち上がって止めに入ろうかと思ったが遅かった
「あっ!こ・・・転んじゃったぁ〜」
などと言いながらわざと転んだフリをして華に飛びかかった
「い・・・・・・・嫌ぁぁぁぁっ!!」
振り向いた彼女は驚いた様に飛んできた峰田を吹っ飛ばしていた
我に返った華は慌てて峰田に謝っていたが100パー峰田が悪いだろう
「・・・!華ちゃん、首!!」
緑谷が気付いた様に言うと、彼女ははっとした表情になり、慌てて教室を飛び出した
無意識に体が
彼女を追いかけた。