第12章 俺だけ見てろ〜爆豪勝己〜体育祭前
いい昼寝場所を探していたら、珍しく校舎裏にいる華を見つけた
?なんだ?アイツ、珍しくこんなとこにいやがって
「おいっ、華何してんだよっ」
ひょこっと華の背後から声を掛けると
ビクっと肩を震わせてゆっくりとこちらを見た
「なんだ、爆豪くんか・・・・」
ほっと安心した様な顔をするが、その顔はほんのり赤い
「おまっ・・・!!また懲りずに個性出したんかっっ!今度は誰だっっ!」
「ち・・・・違う違うっっ!さっき出久くんの教室でご飯食べてたら、峰田くんがつまずいて飛んできたのに驚いて・・・」
「どういう無理矢理感だよっ!アイツはぜってーワザとだっ!!ブチ殺す!」
ワナワナと両手から火花を出そうとする爆豪に華はケラケラと笑った
「そんな訳ないじゃん、爆豪くん考え過ぎ、でもほらまた触られたら困るじゃん?だから収まるまでここにいようかと」
「ふーん、じゃあ、消えるまでいてやるよ」
そう言いながら隣に座る爆豪に不審の眼差しを向けた
「えぇっ・・・・なんか怖い」
「はっ!?ふざけんなっ!ここは優しいだろっ!」
「うそうそ、こういう時って爆豪くん優しいよね」
コツンと額に膝をつけながらクスクス笑うもんだから聞いてみたくなる
「なぁ、お前って俺の事どう見えてんの?」
「は?どうって見たまんま?口が悪くって何にでも喧嘩腰で俺様で・・・・・」
やっぱコイツのイメージなんて他の奴らと変わらないんだよな
自分で聞いてて苦しくなるわっクソっ!
「あっ、でも昔は良く助けてくれたよね?」
「あぁ“?」
「ほら、私が小さい頃個性があんまり上手く使えなくて、いっつも煙玉なげて逃げてたでしょ?あの時たまに煙の中で火花が見えたんだよねぇ?あれって爆豪くんでしょ?」
「気付いてたんか・・・・?」
幼い頃の華は個性が出たばかりでコントロールが上手く出来ずに誰にでもかけていた、それこそ男でも女でも
大抵は煙玉で正気に戻ったり、怯んだりするのだけど、時折あまり効かない奴もいる。
そういう時は華が遠くへ逃げられるように思い切り爆破を浴びせた
そのまんま俺も逃げるようにその場から離れるから、まさか華が戻って来ているなんて考えてもみなかった