第10章 慣れない環境〜共通〜
あれから数日して華は1ーAの教室を覗いていた。
今日は出久と爆豪にお詫びをする為にお弁当を作ってきた。
あの日、逃げ出した華に散々励ましの電話をくれたのは2人だから
出久はいつもの事だがこういう時は決まって爆豪が心配する
2人の電話は対照的だ。出久は気にするなと優しくフォローしてくれるのだが爆豪はギャンギャンと怒ったようにまくし立てるが、最終的には「気を付けろっ!」と言いながら電話を切られた。
こういう時は素直に嬉しい、普段は口がものすごく悪いが彼なりに心配してくれる
心配かけたお詫びに毎日作るお弁当を3人分作ってきた
料理を作るのは昔から好きだ
この学校には美味しい学食もあるのだと知っているのだが、やはり自分で作ったお弁当派だ
教室のドアの隅でキョロキョロと2人を探していると、見知った顔が声をかけてきた
「あれ、華ちゃんじゃん、何?緑谷?探してんの?」
声をかけてきたのは爆豪と友達の切島くん。最近よく爆豪くんと一緒にいるから自然と話すようになって顔見知りだ
「あっ、ううん、出久くんもだけど爆豪くんも探してたの。一緒にお弁当食べようかと思って」
言いながら手に持っていたお弁当の包みを見せる
「2人なら、今先生に呼ばれてるぜ?もう帰ってくるからここで待ってなよ」
そう言って出久の席で待ってる様に促す
また教室に戻ってすれ違いになると面倒だなと思った華は「じゃぁ、お邪魔します」と言って出久の席へと座った
出久の席に座ると切島くんが楽しそうに笑った
「なんかそうしてっとクラスメイトみたいだな」
と言うもんだから思わず「そうかな?」と言ってはにかんだ