第7章 個性なんか〜共通〜
私は昔からこの個性が嫌いだ
誘惑する個性なんて・・・・
何の意味もない
初めて個性が出たのは幼いとき公園で1人でブランコに乗っていたときだった。
少しずつ近くに寄ってくる見知らぬ人に少なからず緊張をしていた
その瞬間にぶわっと花の様なイメージで何か光る空気に包まれたかと思うと、いきなり手首を掴まれた
少しずつ近寄っていた男に引きずられる様に掴まれた
「ーっ!?!???」
あまりに突然の出来事で声にならないでいたら急に手を掴んでいた相手は吹っ飛んでいた
状況が上手く飲み込めずに口をパクパクしていると
「お前の個性は人を惑わす。気をつけるんだな。」
見上げると目の前に真っ黒な服を着て立っている男がいた
くるりと私の方を見ると少し優しい目をして
ポンポンと頭を叩いて行ってしまった
助けてくれたのはきっとヒーロー、少し優しい目をしていた
その後すぐに警察が来て、騒ぎを聞いて駆け付けた両親のあの慌てようは忘れない
私はその後、おいおい泣く母とそれを宥める父に手を引かれ、個性検査で自分の個性を知ることになる。
あの様な事はもう嫌だ
人に深入りして惑わすのなら、惑わさない様な浅い距離にいればいい
私の個性は
トラウマだ。