第5章 黙っていれば〜心操人使〜プロローグ編
何でそう思ったのか自分自身もよくわからない
ただ、あまりにもあの笑顔が焼き付いて、俺にも笑って欲しくて
これが一目惚れ?
彼女に駆け寄っていったのは緑色の頭をした小さい奴
普通科にはいなかった、ヒーロー科の奴か?親しそうに笑い合ってるのを見て付き合ってるのか?とさえ思った
すると、また別の声が後ろから聞こえてきた
「なぁに2人で帰ろうとしてんだコラァ!!俺も混ぜろやっっっ!!」
勢いよく飛び出してきたのは、金髪のガラの悪そうな奴
「かっ・・・・かっちゃん!・・・」
「げっっ!」
「何が げっだ!!2人で帰るとか100年はえーんだよっっ!クソがっっ!」
「何言ってんのか意味わかんない!中学の頃は一緒に帰ってたもん!!」
「中学と高校は違ぇんだよ!!分かれやっ!!」
「はぁ?それも意味わかんない!私は出久くんと帰るんだから邪魔しないでよっ!」
「俺様が帰ってやるって言ってんだ!有り難がれっ!」
ぎゃーぎゃーと言い合っている2人の間を、オロオロと出久と呼ばれた少年は困っている
「か・・・かっちゃんも華ちゃんも落ち着いて、ね?き・・・今日は一緒に帰ろうよ」
へにゃりと笑う少年に華はヘラっと笑った
「出久くんがそう言うなら」
「はぁ?ふざけんなっ!お前が1人で帰れ!クソデク!」
「アンタが1人で帰れっ!」
結局ぎゃーぎゃーと3人で帰って行った
本当は仲がいいのか?
取り敢えず
アイツは黙っていれば可愛い
以上。