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僕の花〜ヒロアカ〜

第33章 適正




それから暫くして私の周りでは沢山の事が起こった

1番気が気ではなかった出来事は勝己が敵に攫われてしまったこと

テレビで知って混乱して また出久の口から聞いて心配で心配で堪らなかった

こういう時に何も出来ないのが悔しかった いつも助けてくれたのに自分が何も出来ないのが不甲斐なくて
ただ祈る事しか出来なくて

だから勝己が無事に救出された時には体の力が抜けた



勝己が助け出されて数日した頃に私は1人で勝己の家に様子を見に行った

「あらっ!華ちゃん、家に来るなんていつ振りかしら」

出迎えてくれた勝己のお母さん 光己さんは嬉しそうに出迎えてくれた

「勝己は部屋にいるから上がって上がって」

どうぞどうぞと言うように家に上げてもらい私は2階への階段を上がった

勝己の部屋の前まで来て軽くコンコンとドアを叩いてチャリとゆっくり扉を開けた

部屋の中には無言でボーッと窓の外を見ている勝己の姿があった

「…何の用だよ」

「…元気かなって」

「お前にはどう見えんだよ」

ゆっくりとこちらを見て鼻でフッと笑うと勝己の座っていたイスがギィっと鳴った

「見た目は元気そうだけど心は元気じゃない感じ」

「そう感じるんなら放っておけよ」

シッシッというように片手で追い払うような仕草をしてまた窓の外を見た

「放っておかないよ…いま放っておいたらきっと勝己はずっと自分の中で溜め込むでしょう?それはきっと とても辛い事だよ」

「……っ!!」

華の言葉に勝己は何か言いたそうなでも言えない そんな表情をしながらイスから勢いよく立ち上がった

「じゃあ…どうしろってんだよクソ…」

小さく呟きながらゆっくりと座り直しぐしゃっと顔を覆った

「ちゃんと受け入れて 今の現実を。そうじゃないと一生懸命助けてくれたみんなの気持ちが無駄になっちゃう」

イスに座っている勝己の膝の上に手を置いて膝を付いて彼を見つめた

テレビでしか見ていない だけど色んなヒーロー達が助けたい気持ちで動いたのだ

勝己はその思いを受け止めなければならない

勝己にとってはまだ受け止めきれないのかもしれないそれでも日々を追うごとに受け入れないといけない

それが現実なのだ




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