第30章 旅立ち~相澤消太~
その頃、職員室ではキョロキョロと相澤を探す人物がいた
「あれ~?誰かイレイザー知らないか?」
卒業式が終わったと同時に姿が見えなくなった同僚の姿をプレゼント マイクは探していた
「あぁ、相澤くんならもう帰ったわよ」
ギシリと座っていたイスを軋ませながらミッドナイトがそう告げた
「えぇぇぇぇっ!これからだろう?こう、飲みながら色々思い出話に花を咲かすのはぁっ」
ミッドナイトの言葉に大げさに足元から崩れ落ちて嘆くマイクにミッドナイトは苦笑を溢した
「相澤くんは早く帰りたくて堪らなかったのよ」
「…あぁ そういう事か」
ミッドナイトの言葉にマイクは何かを感じたようでゆっくりと立ち上がった
「それなら酒の肴がまた増えたな」
「そうね、今度じっくりと最初から話して貰わないとね」
そう言いながらミッドナイトはもうもぬけの殻の机に目線をやると楽しそうに笑った
自分の家への帰路はこんなにも遠かったのだろうか
いくら急いで帰ろうとしてもやけに時間が長い気がして堪らない
早く早く、そんな思いだけが焦って足が空回りしてるんじゃないのか
消太は自分のマンションのエレベーターが降りてくる時間も惜しいというように階段を駆け上がった
きっと自分のクラスの生徒達に見られたら確実に驚かれるだろう
そんな行動も消太にとっては吹き飛んでいた
とにかく1分一秒でも早く早く