第3章 友情のために (エニエス・ロビー編)
『ん、んん・・・。』
視界がぼやける。
目の前には何だかボヤけながらも緑色が見える。
・・・ん、緑色?
視界がはっきりしてくると、目の前にはゾロの顔があった。
『う、うわぁ!!』
「いってぇ!何しやがんだ、テメェ!!」
私は顔の近さにびっくりして、ゾロの顔をベチン!とはたいてしまう。
それに対してゾロは私に大声で怒鳴った。
『だ、だって顔が近いから!!』
「チョッパーにお前を運ぶように言われたんだよっ!起きたんなら自分で歩けよ。」
フランキーの部下たちの船に助けられ、ルフィたちの乗るロケットマンと合流して今に至るらしい。
「それで、何でお前がここに居んだ。」
『だから・・・友人として貴方たちを助けたくて・・・。』
「てめぇの言葉には、一々違和感がある。戦えるくせに戦えないと言う、仲間を必要としていないくせにこうして手助けしようとする。一体てめぇの魂胆はなんだ。」
もう誰かに裏切られないためにも仲間など必要ないと思った。
目立ちたくも無いから戦いたくもなかった。
けれど、貴方たちといた時間はとても楽しくて、その時間を私も一緒に守りたいと思ってしまった。
ロビンの思いを聞いて、それ程に大切だと思える人がいることを羨ましいとさえ思った。
それで、私はどうしたいのだろう??
『さぁ、何だろう。』
自分が自分でわからない。
「何だろうって「お!クレア、目が覚めたのか!」
ゾロの言葉を遮り、チョッパーがこちらにタタタタッと駆け寄ってくる。
私は、チョッパーと同じ目線になるようかがみ、腕に巻かれている包帯を見せてニコリと笑った。
「これ、チョッパーがやってくれたの?ありがとうね。」
「ほ、褒めても嬉しくねーぞ、コノヤロー!」
相変わらず、クネクネするチョッパーが可愛い。
それから、そげキングをウソップと見抜けないチョッパーとルフィのやりとりやサンジや列車であったことの報告、そしてそれに対してのルフィの反応、全てが何だか麦わらの一味らしくて私は少しだけ安心した。
こんなことがあっても何も変わらない、楽しい雰囲気も仲間思いなところも。