第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
「いい加減にしろ、てめェ!それ以上、口を開くな!」
ロビンのことを酷く言うルッチに、我慢ならずサンジが蹴りを入れた。しかし、それをルッチは腕で受け止める。
私はサンジに気を取られている間に援護射撃をしようと、バッと飛び出て銃を構える。
『ぐあっ!』
鼻の長い男に手を蹴られ銃をおとす。
それから腹に蹴りをお見舞いされ第3車両の方に吹っ飛ばされた。
ガツン!!
頭に痛みが走る。
『クレアちゃん!』
サンジの声が遠くで聞こえる。
そして、次第に視界が真っ暗になった。
【クレア、何ボーッとしてんだ】
『・・・え?』
あれ、私・・・さっきまで列車の中にいて、それで・・・。
自分の手は小さくて、目の前には死んだはずの叔父さんがいる。
そうか、これは夢なのかと理解するのに時間はかからなかった。
『叔父さん・・・みんな、叔父さんの描いた絵なんか無いって言うんだ。』
【そりゃあ、誰も実物を見てねぇならそう言うだろうなぁ。】
叔父さんは、ガハハと笑った。
それから、ニッと笑いながら私の頭に手を置きわしゃわしゃと頭を撫でてくれる。
【だけど、お前の夢を信じてくれる奴らにいつか出会えるさ】
『いつかって・・・いつ?』
【んなの、わかんねぇよ、ガハハハ!】
そういってまた豪快に笑ってから、叔父さんは再びキャンバスに目を向けた。
【そんで、いつかなぁ・・・お前を愛して守ってくれるヤツに出会うんだよ】
『叔父さんは、クレアを愛して守ってくれてるよ?』
【俺にはもう・・・お前もリノスも守ってやれねぇから】
叔父さんは、悲しそうな顔をしてこちらを見た。
【ごめんな】
その表情も声も何もかも、私の頭から一生離れてくれないのだ。