第9章 再会(2年後編)
「た、助かった…。」
スルメがクッションになり、私たちは無事に底へと辿り着いた。
深海だというのに何故が光が差し込んでいる。
太陽なんて無いのに、なぜ?
そう思いながら上を向くと大きなシャボンに囲まれた島が見える。
あれが、そうなの?
「おい、ナミ!あれか!?」
「ええ、間違いないわ!指針はあの島を指している!あれが…魚人島!!」
私たちは遂に魚人島へ辿り着いたのだ!
とても大きくて、未知の世界に心が弾む。
「やった〜!着いたぞ〜!」
「"偉大なる航路"の名スポット!」
「人魚たちの舞い踊る島!美しい"人魚姫"!遂に辿り着いたんだ、ガキの頃から憧れた…夢の楽園!」
なんか、1人だけ熱量がかなり違うんですけど。
「マーメイDo〜♪マーメイ…ブヘァ!」
サンジは人魚への思いを募らせ、そして盛大に鼻血を出す。
それに対してチョッパーは人魚に合わない方が良いと告げるが、ウソップは人魚に会うことはサンジの夢なんだ!と熱く語る。
「だけど、会えば命を落とすぞ!」
「構わねェ…夢叶わず生き長らえるより、人魚たちをエロい目で見て死にたい。」
「最低か!!!」
サンジは「俺は会う!」と結局ウォオオオオと闘志を燃やして叫んだ。
ねぇ、何この茶番。
「何を人間なんぞに従わされてんだ、クラーケン!」
その声にスルメはポイ!と私たちの船を放り投げた。
スルメにはせめて魚人島まで運んでもらいたかったのに…。
そうして周りを見てから気づく。
私たちの船は海獣の群れに取り囲まれていた。
「「「「『ギャー!終わったー!ここまで来たのにィー!!』」」」」
私とナミ、ウソップ、チョッパーにブルックの悲痛な叫びがこだまする。
「カッコいいなぁ〜!海獣!!」
こんな時まで能天気なルフィ、あんたのメンタルを少しだけ分けて欲しいわ。ルフィがジッと海獣を見つめて、そしてそこに誰かが乗っていることに気がつき「誰か乗ってるぞ!?」と口にした。凄くワクワクした顔つきで。
どう頑張ってもこの状況ではワクワクできない!