第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
「出ねェのかウソップ、フランキー、クレアちゃん、みんな街へ行ったぞ。」
『私はまずこの船からの景色をスケッチしてから行こうと思ってさ。』
サンジが船に残った私たちに声をかけた。
それに対して私は答えながら絵を描いていた。
「さっき海戦でちょっと傷ついたからな、船のメンテはおれの仕事!」
「おれも手伝いてェから残った。」
フランキーとウソップはトンテンカンと船を直している。
「終わったらじゃあ4人で出よう、この島楽しそうだ!」
「イヤ、俺は誰かが帰ったら交代で買い出しに出る。」
「ん?なんで?」
ウソップの提案をサンジは断った。
その理由というのも、ナミが財宝の多い船を守ってくれるナイトはいないか・・・と呟いたからだそうだ。
相変わらずサンジがアホなようだ。
「恋の奴隷なんだ、俺は!」
「自分で言ってりゃ世話ねェよ。」
サンジの馬鹿らしい言葉に呆れるウソップ。
その横を、よっとゾロが船から飛び降りたのを私は見逃さなかった。
『ゾロ、みんなと行かなかったの?』
私が声をかけるとサンジとウソップがゾロを見てギョッとしていた。それもそうだ、ゾロは極度の方向音痴なのだから。
「アレアレ!?もしもし!?ちょっとゾロくん!?てめェいたのか!」
「たった1人でどこ行くの!?」
「ん?散歩だが。」
サンジとウソップの焦った声にゾロは一言だけ答えて歩き出そうとしていた。
『ぜっっっったいやめた方が良いと思うよ。絵が描き終わったら一緒に行くからもう少し待って!』
「あ"?子供じゃねェんだよ。」
私はエニエスロビーで全く違う方向へ走って行ったあなたの事を忘れはしないわよ。
「んやァめェろォ〜ッ!」
「やめろこのクソ迷子野郎ォ〜!ここは諸島だぞ、探しきれねェよ!」
私の制止を振り切って歩き出そうとするゾロに今度はウソップとサンジが叫んだ。
「迷子になんかなるかァ!」
2人の言葉を失礼だと思ったのかゾロも怒鳴る。
全く失礼ではなくそれは事実なのだけれどね。