第6章 海の上での賑やかな日々
ザパッとケイミーとサンジが海面から顔を出した。
「良かった!サンジ無事か!?」
「ハァ、ハァ、みんな!大変なの、サンジちん凄い出血で・・・。」
『海の中で攻撃されたの!?』
チョッパーの問いかけにケイミーが焦りながら答え、その回答に私たちも焦りを覚えた。
「助けたと思ったら鼻からいっぱい血を吹いて・・・。」
「・・・鼻血!?」
よく見ると目をハートにさせながらケイミーの腕の中で鼻血を出していた。何だよ、人騒がせな・・・。
「もういいよ、そのまま死んだら死んだで・・・幸せそうだし・・・。」
ウソップの言葉に私も強く頷いてしまう。
サンジ、魚人島なんて行ったら出血死しちゃいそうで怖いよ。
デュバルの乗っている牛が動き始めるのが視界の端に見えた。
「人呼んで"心臓破りのツノ"、行けモトバロ〜!」
デュバルの声が聞こえて牛がルフィに突進していく。
「ルフィ、危ね〜!」
チョッパーの声が響く。
ルフィは受け止めるつもりなのかその場を動く様子がない。
突進してくる牛をルフィは鼻のあたりを持って受け止めた。
・・・ツノ、意味なくない??
「ツノ関係ねェー!」
思わずチョッパーは叫んでしまっていた。
そのまま力比べでも始まるのかと思ったが、牛はブルブルと震え出しデュバルを捨てて逆側へ走り出す。そしてドサリと地面に倒れこんだ。
『一体何が・・・。』
ルフィが何か手を出したようには見えなかったし、当のルフィも不思議そうにしている。
「何かを発したわけでもなく、今ルフィがあの牛を威圧した様に見えたわね・・・。」
「何だそれ、迫力勝ちみてェなもんか?」
ロビンが感じたことを口にするがイマイチ誰も理解できなかった。
威圧だけで気絶なんてさせられるものなのだろうか、能力ならばまだしも・・・。
何だかよくわからない。
「おぬれェ、麦わらの一味〜ッ!」
転げていたデュバルが立ち上がりルフィを睨む。
そのルフィの後ろからユラリとサンジが歩き出す。
デュバルが攻撃をした瞬間にバッと避け、サンジはデュバルの目に攻撃を与えた。それから、鼻、頰、口、歯、顎と蹴りを加えていく。
「"整形(バラージュ)ショット"!」
「ダバァアアッ!」
サンジの攻撃にデュバルが悲鳴をあげ倒れた。
私たちの勝利だ!