第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
「そいじゃなー!お前らー!」
「みなさん、全滅にお気をつけてー!ヨホホホ!」
「縁起でもねェこと言うな!お前!」
「ローラ、ビブルカードありがとう!元気でね!!」
私たちは船を出航させた。私は、船の端から顔だけ出して手を振った。チョッパーの薬のおかげで腕くらいなら動かせる。
ローラたちも盛大に手を振り返してくれた。
「出航〜ッ!」
船は魚人島へ向けて進み出した。
私は、ロビンに手助けしてもらい船の端にもたれるように座る。
あぁ、自分で動けないのが情けなくて仕方がない。
「ヨホホホ〜ヨ〜ホホ〜ホ〜♪」
ブルックが陽気に歌っている。
それを聞いてると何だか私まで楽しくなってくる。
冒険の旅は不安で危険なことが多いけれど、それと同じくらいワクワクだって多い。
魚人島は、どんな島なんだろう。
「ルフィ、本当にいいの?」
「ん?あぁ、エースの紙か?いいんだ、気にすんな。」
全員が寄り道をしても良いと言うが、ルフィはそれを断る。
「万が一、本当にピンチでもいちいち俺に心配されたくねェだろうし、エースは弱ェとこ見せんの大っ嫌いだしな。行ったって俺がどやされるだけさ、俺たちは出会えば敵の海賊。エースにはエースの冒険があるんだ。」
きっと私に何かあったリノスは飛んでくるし、私もすぐに助けに行ってしまうだろう。
だけれど、きっとルフィのお兄さんはとても強くて、ルフィもそれを信頼しているからそう思えるのだ。
私も、リノスに「姉さんなら大丈夫」だと思ってもらえるように強くなりたい。
「そういや、ゾロとクレアはずっと寝てたから、まだやってねェよなぁ〜!」
『ん?何が?』
サンジが私にビールの入ったジョッキサイズの樽を渡してくる。
ルフィの言葉に、あぁ、なるほどとそれで察した。
「えー、それでは改めまして!新しい仲間"音楽家"ブルックの乗船を祝してェ。」
「「「「「『乾パーイ!』」」」」」
「お世話になります!」
私たちはウソップの音頭に合わせて乾杯をした。
仲間も増えて、これからもっと楽しくなりそうだ。