第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
私が麦わらの一味に釣り上げられてから3日が経った。
朝の天気は気持ちよく、空は快晴だ。
麦わらの一味の船は常に明るく陽気で、私はいつも笑っている。
みんな天気が良ければ常に船外に出ていて、私もそうして外で絵を描いていた。
ゾロはいつも寝ていて、あの夜以来特に話をしていない。
その代わりに他の人とはたくさんお話をしている。
サンジは美味しいご飯やデザート、飲み物をたくさん作ってくれる。ナミは興味津々で宝の地図について聞いてきたり、自分のお宝を自慢気に見せてくれた。チョッパーは私の体調を気遣ってくれて、ウソップは自身の冒険の話をたくさんしてくれた。多分嘘なのだろうけど、それがまた面白い。ロビンは私の知らないことをたくさん知っていて、質問すると何でも答えてくれるのだ。
ルフィはいつも元気いっぱいで、私にもその元気を分けてくれる。
一緒に釣りをしたり、絵についても褒めてくれる。
まだ少ししか一緒にいないのに、既に心地よさを感じていた。
だけれど、それは良くないことだ。
適度な距離感を持たなければならない。
人は、裏切るものなのだから。
「カエルだ!!!巨大ガエルだ!!!」
ルフィのその叫びで私はハッとした。
そして、声の方を見ると確かにカエルがクロールで泳いでいた。
ルフィたちは、そのカエルに執着して追っかけて追いついたところで急に大きな音が聞こえる。
『うわぁ!』
大きな汽車だった。
あと少しでぶつかるところだった。
カエルはというと、無残に轢かれて飛ばされていったのだった。