第1章 溺れた女
今思えば、あの時彼らに出会っていなかったら、私の人生はどれ程につまらないものだったのだろうか。
毎日笑える楽しさも仲間の大切さも辛さでさえも、私の中ではかけがえのない思い出だ。
私の夢を彼らは笑わない。
周りに今まで何度笑われただろう。
「そんなものは不可能だ」「そんなものは無い」
幾度となくかけられた言葉は今でも耳にこびり付いているけれど、彼らはすんなりと受け入れてくれた。
私の闇でさえ払ってくれた。
そう思えば、あの時溺れてしまった自身の不注意でさえ、今はありがたいと感じるのだ。