貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第4章 Happy Birthday 【十龍之介】
龍之介Side
今日は愛する彼女、琴音の誕生日。
今日のためにプレゼントも買ったし、準備のために琴音より早く帰れるようにした。
同棲しているから隠すのは大変だったけど、琴音の驚いた顔、何より喜ぶ顔を考えると容易い事だった。
「よーし…」
気合を入れて、お祝い料理の準備を開始する。
俺も彼女も大好きな、魚を中心とした料理だ。
「ふーんふーん…」
楽しい。
料理は好きだからというのもあるだろうが、琴音の為、という所が大きいだろう。
琴音は、忙しくて家事があまり出来ない俺に、文句一つ言わない。
デートが出来ない事にもだ。
少し寂しいとも思うが、俺にはどうする事も出来ない。
今日の誕生日の事も、
『無理しないで下さいね?お気持ちだけで十分なので』
と言われてしまった。
でも、気持ちだけ、なんて出来ない。
だから、今までの感謝を込めてサプライズをしようと思ったのだ。
「良し…喜んでくれるかな?」
暫くして、料理を作り終えた。
いい出来栄えの筈だが、果たして琴音は喜んでくれるだろうか。
「あっ、こうしちゃいられない!飾り付けをしなくちゃ」
と言っても、机に新品のテーブルクロスをしたり、花を飾ったりするだけなのだが。
そんな事をしていると、彼女が帰ってくる時間帯になった。
「ああっ!プレゼント部屋から持ってくるの忘れてた!」
急いで取ってくる。
と。
『ただいまー…あれ、龍之介さん、今日は早いですね』