貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第2章 眼鏡の奥 【二階堂大和】
『大和さーん』
「やーだ」
『まだ何にも言ってないです!』
「どーせ『眼鏡外してください』とでも言うつもりだろ?」
『うっ…』
その通り。
私は大和さんの眼鏡無し状態が見たいのだ。
大和さんと付き合って早2ヶ月。
キスもしたし、それ以上の事もした。
しかし、眼鏡無しの状態は見た事が無いのである。
最初はたまたま見た事無いだけかと思い、
『大和さん、眼鏡外してみてください』
と、何気なく言ってみた。
私は、
「はい、これで良いのか?」
とか、
「えーエッチ。…まあ、琴音ちゃんがそんなに見たいなら良いよ。…見せてア・ゲ・ル」
みたいな返事が返って来るものとばかり思っていた。
しかし実際は、
「嫌だ。…それより、お兄さんの事癒やしてよ」
と言って、拒否った上にはぐらかそうとしてきた。
『えー、見せてくれないんですか?と言うか、そんなに疲れてるんだったら私は部屋に帰りますね。早く休んだ方が良いですよ。おやすみなさい。』
はぐらかそうとしてきた事に一抹の悲しさを覚えた私は、自分の部屋に帰ろうとした。
すると、
ドンッ
『あ…の、何ですか、壁に何か居たんですか、何で私は壁に押し付けられてるんですか』
「琴音ちゃんが逃げようとするから」
『逃げて無いです、帰ろうとしてるんです、大和さん、お疲れなんですよね?』
「うん、だから琴音ちゃんに疲れを癒やしてもらおうと思ってさ」
『疲れを癒やすって…私マッサージの資格とかもって無いですよ?』
「にぶいなー、……「身体で」癒やしてって事だよ」
『へっ!?んんっ…』
ここからは語るまでも無いだろう。
こんなふうにしてはぐらかされる日々が続いている。
今回は素直にお願いしようとしてみたが、言わせてももらえなかった。
大和さんの眼鏡外した所を見るのは無理なのか。
いや見たい。
よし、寝てる時に無理矢理取ろう。
今まで寝込みを襲うのが嫌でやらなかった作戦を実行しよう。
この時の私は、やっと大和さんの眼鏡無しが見れる、
とワクワクしていた。
後で後悔するとも知らずに。