貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第3章 誘う華、誘われる蝶 【八乙女楽】
次の日の朝。
『ふあーあ、…いった』
腰の痛みで目が覚める。
結局昨日、と言うか今日は、あまりの激しさに気絶して、そのまま眠ってしまったらしい。
文句でも言ってやろうと横を向くと、楽の整い過ぎた寝顔が。
『…かっこいいなぁ』
しばし眺めていると怒る気も失せ、思わず口から感想が溢れる。
すると、
「当たり前だろ」
『起きてたの!?』
聞かれてしまった。
「お前より早く起きてたぞ…まさかこんなに気がつかれないとは思ってなかったけどな」
『っ…恥ずかしっ…』
あまりの恥ずかしさに顔が赤くなる。
楽はニヤニヤしながら、
「お前、そんなに俺の顔が好きなのか?」
と聞いてきた。
『うっ…好きじゃないもん!』
嘘だけど。ホントは大好きだけど!
「へぇー…昨日はあんなに素直だったのに」
『っ…そんな事ないもん!』
「ふーん…」
一晩経ってみると、自分のやった事の恥ずかしさが改めて身に染みる。
『ううっ…大好き!』
開き直って、と言うかやけくそで、思いっきり抱きつく。
「ふっ、ははっ…俺も好き、つーか愛してる、琴音」
やっぱり、楽が浮気だなんてありえない。
こんなに私を愛してくれる人が、他にいるだろうか。
その愛を再確認しつつ、私は楽の腕の中で目を閉じた。