第7章 《リヴァイ》愛ある行為を ※
漸くキスから解放してやり、互いの唾液で濡れたエマの唇を指先でなぞる。
「お前に魅力がなくなったなんて、いつ俺がそんなこと言った?」
「はぁっはぁっ……言って、ないですけど…」
さっきも言ったがここ一ヶ月セックスはしてない。
もちろんしたい気持ちは山々だった。俺だって散々我慢していた。
平日は残業、休日出勤も続いていてなかなか時間がなかったのは事実だが、ただそんな中でもしようと思えばできた。
でも俺は敢えてしなかったのだ。
エマとのセックスは時間をかけてしたい。
雄の性ゆえ溜ったものを出したいという本能的な欲求はもちろんあるが、互いにじっくりと深く深く愛し合いたい。
短時間でささっと欲求を満たす、なんてことだけはどうしてもしたくなかったのだ。
でもエマも相当我慢しいていたのだろう。
まさかそれを通り越して不安感に駆られてしまっていたとは思いもしなかったが。
エマに飽きることなど生涯ありえないというのに、何を馬鹿な事を考えてやがるんだ…
「これで俺の気を引こうとしたのか?」
「…うん」
「そんなことしなくてもお前は十分魅力的だ。」
「ごめんなさい…リヴァイさんが忙しいのは分かってるのに、段々不安になってきちゃって…」
「いや、いい。俺も言葉足らずだったな。
エマとは時間をかけてじっくりシたかったんだ。だから仕事が落ち着くまで我慢するつもりだった。
だがそれが知らないうちにお前を苦しめてたとは…すまねぇ。」
掴んでいた腕をそのまま自分の方へ引き込み、きつく抱き寄せた。
「身体を重ねられなくても、俺は変わらずお前を愛してる……伝わるか?」
「うん…うん…」
背に回った手がぎゅっと服を掴んでコクコクと頷く。
「リヴァイさん…私も、愛してる。」
馬鹿野郎…そんな潤んだ目して必死になって言うんじゃねぇよ。
後でゆっくりと思っていたが早くも限界がきた。
俺はエマの手を引き寝室へと向かった。