第4章 《エルヴィン》堕ちる ※
「エルヴィン……」
「すまないな、今日は仕事で外に出なくちゃならない。夕方には帰るから、それまで待っていてくれるか?」
「うん…」
「良い子だ。帰ったらまたたくさん愛し合おう。それまでは、これで。」
「うん。」
“行ってらっしゃい”の後、私は広いリビングに一人になった。
壁にかかっている大きなスクリーンを起動して、ソファの真ん中に座る。
遮光カーテンで暗くした部屋に映し出されたのは、大好きな人の逞しい身体と、私の身体。
あの日から1ヶ月が過ぎた。
アパートへ戻ることもせず、この生活感のないだだっ広いマンションの一室で、エルヴィンとのセックスに溺れる毎日。
一ブゥゥゥゥゥゥン
「あぁっ…エル、エルヴィンッ…はぁっ」
エルヴィンがいない日はこうして撮り溜めたビデオを再生して、エルヴィンの与えてくれる甘美な刺激を思い出しながら自慰に明け暮れている。
「あっあっあっあっ!イクッ!イクゥ!」
あの日を境に、私は変わってしまった。
あの日、文字通り快楽の果てへと堕ちた私は、どこまでも貪欲に快感を貪るだけのふしだらな女へと変わってしまったのだ。
早く…早くエルヴィンに触って欲しい。
触って、舐めて、たくさんイカされて、そしたらあの大好きな肉棒で壊れるまで貫いて欲しい。
「あぁっ!また、またイクゥ!エルヴィン、エルヴィン!イクゥゥゥゥゥ!!」
大量の体液を飛ばす膣内から、ゴトリと音を立てて床に落ちた機械。
力なく背もたれに身体を預けるエマの目の前で、恍惚の表情を纏ったスクリーンの中のエマがこちらを見つめていた。
fin.