第3章 《エルヴィン》現実逃避 ※
性急に舌を差し込み口内を激しく犯してやると、塞いだ口の隙間から甘い声を漏らしながらさらにエルヴィンの陰茎をきゅうきゅうと締めつける。
エルヴィンはその締めつけで一気に射精感が高まり、腰を打ち付けるスピードを加速させていった。
「あっあっあっんあっ…エルッだめぇっ…」
律動は次第に互いが気持ち良くなるだけの動きに変化し、エルヴィンから送り出される強烈な性的刺激にエマは息を吐く度に甘い声を漏らし、ただ身体を揺らすことしかできない。
腰を捕まれ何度も何度も最奥を突かれ、その度に頭の頂点から足の先まで貫かれるような鋭い快感に、エマも限界だった。
「……くっ……エマ……もうイキそうだ…」
苦しそうな声を出すエルヴィンも、眉をひそめて快感に顔を歪めている。
美しささえ感じる程の官能的なその表情にも、エマの淫欲はさらに高められ、自身の絶頂感も最大まで高められていった。
「あっ、あぁんっも…だめっ……イクっ………」
「……………あぁっ」
エルヴィンは一段と律動を速め、エマの腰を引き寄せて最奥に強烈な一突きを与えると、エマは全身をガタガタと痙攣させながら自身を解き放った。
その締めつけによってエルヴィンもエマに続くように欲望を吐き出した。
「はぁっ、はぁっ……」
二人の荒い息遣いだけが空間を支配し、激しい情事にじっとりとするほど湿度が高まっている室内。
白い胸に吐き出された白濁液をエルヴィンは優しく拭き取り、まだ激しく呼吸をしている唇へそっと唇を重ねる。
優しく触れるだけのキスをしゆっくりと唇を離すと、エマは潤んだ瞳を細めてエルヴィンに微笑んだ。
あぁ、なんて雅な……
このエマの姿を、毎回この世のものとは思えないほど美しいと思ってしまうエルヴィン。
上気した頬へ手を添え、もう一度柔らかなキスをする。
「エマ……君は最高な女だよ…」
「あなたも、誰にも負けないくらい素敵よ…」
あぁ。
この夜が終われば明日からはまた“団長”と“分隊長”に戻らなければならない。
次に彼女を抱く時まで、どうか自分の身体が朽ち果てぬようそう祈ってエマを抱きしめるエルヴィンなのであった。