第10章 《リヴァイ》 一線 ※
「ック……締めすぎだ…」
思わずリヴァイから苦悶の声が漏れる。
やっとの思いで甘美な快感を得たエマの膣は、リヴァイに絡みついて離れない。
一気に根元まで差し込み一呼吸置いたあと、リヴァイはギリギリまで陰茎を引き抜いた。
ズン!
「あぁぁっ!!」
強いストロークで最奥まで差し込み、また引き抜く。
それを何度か繰り返しながら段々速度を速めていった。
エマはリヴァイに貫かれる時も引き抜かれる時も喘いだ。
その速度が速まればずっと声は出っぱなしだ。
何度か達したせいでナカは言うまでもなくぐちょぐちょに濡れ、結合部からは淫猥な音が漏れ続けている。
激しい快楽に襲われながらも見上げると、そこには見たことも無いようなリヴァイの顔があった。
切なげに寄った眉。苦しそうに細まる眼。
薄く開いた唇からは乱れた息が漏れている。
そこにいたのは紛れもなく、兄ではなく一人の“男”。
そしてその男を心の底から愛おしいと思ったのはこの自分自身だ。
「っリヴァイ…」
「…なんだ」
エマは快感に悶えながらも名前を呼び、手を伸ばした。
するとリヴァイは上半身を倒し伸びた手を自身の首に巻き付けた。
身体が密着すると、幸せな気持ちでいっぱいになる。
「好き…大好き。リヴァイ」
律動を止めたリヴァイと目が合う。
中で留まる熱が、愛おしくてたまらない。
リヴァイはいつもしているみたいに…いいや、いつもより何倍も優しく、慈しむように髪を撫でてくれた。
「俺も好きだ。ずっとお前が好きだった…」
ゆっくり律動が再開される。
「ずっと…こうしたくてたまらなかった……エマ…」
「ん、あっ……私もだよ…埋められない距離がもどかしくて…あぁんっ!」
陰茎の抜き差しが速まった。
でもエマは伝えたくて、必死にしがみつきながら言葉を紡いだ。
「でもっ、今それが…はぁっ、やっと叶った…んっぁあっ!」
「あぁ…そうだな」
「あぁっ、嬉しい、嬉しいのリヴァイ……!ひとつになれてっ、あっ!嬉しい…!」
「あぁ、俺もだ…」
大きな手が細い腰を掴んで、その思いの丈を注ぐように強く深く打ち付けた。