第10章 《リヴァイ》 一線 ※
「ふっ…ん……はぁ……」
エマはもうどうにでもして欲しかった。
リヴァイの好きなようにされるのが嬉しくて、それで喘ぐ自分にも際限なく昂奮して。
もっともっとと刺激を求める自身が止められない。
今更キスだけで満足出来るわけなくて、そのもどかしさに気がつけば腿を擦り合わせていた。
「……んっ!」
リヴァイの右手がエマの欲求を理解したかのようにまた割れ目へ這う。
それだけで腰は揺れてしまったがもう我慢しなかった。
「んんっ、はぁ、リヴァ……」
「もっと欲しいか?」
舌を解放されて、またたらりと唾液が滴り落ちるのも気にせず、エマは淫靡な瞳でリヴァイを見る。
「…ほしい……」
「そうか、なら…」
「違う」
割れ目を行き来させようとする手を掴んで、エマは言った。
「そうじゃ、ない…」
「……」
エマの目を見て、リヴァイは彼女の言いたいことをおおよそ理解したが敢えて黙る。
エマが自分から言うまで何もしないし言わないと、リヴァイはこの時決めた。
「……っ、」
「どうした」
ほんの僅かに残された理性がエマの邪魔をしていた。
全身はリヴァイが欲しくてたまらないと叫んでいるのに、一言を言う勇気が持てなくて、ひたすら腿を合わせ腰をくねらすことしかできない。
「はっ、はぁっ……」
リヴァイは眉一つ動かさずじっと見ている。
何もされていないのに呼吸だけが荒くなって、一人で昂奮しているみたいで恥ずかしい。
リヴァイきっと気付いている。だけど自分が言わないと何もしてくれない気だ。
なら勇気を出して、言わなきゃ…
「リヴァイ、が……」
とうとう口を開く。
「リヴァイの、が…欲しい……」
リヴァイの目が細まった。
「っきゃ!」
「よく言えたな…褒美だ。これが欲しくてたまらなかったんだろ…」
「…あっ!」
肩を掴まれ乱暴に押し倒されて、下半身に当たったのはリヴァイの滾った熱だ。
ぐちょぐちょに濡れそぼった入口に竿の先端が当たり、エマの身体は悦びに震える。
あぁ、熱い……
欲しい……早く……
だがエマの期待とは裏腹に、先端は入口から遠ざかってしまった。