第1章 〔聴こえないように〕
「……はぁっ。アンダーテイカーさん、もう、いいですか?」
「ん〜〜まだもっと味わっていたいけどねぇ〜 ヒッヒ。」
あの後 ベッドにひきづり込まれ 数回愛されたグレース。
腰が少し痛む…。
「もう お昼ご飯の時間ですよ。準備してきますね!」
せかせかと服を着て 出て行ってしまった。
午前中から予定を狂わされ、少し機嫌がわるいようだ…
昼食兼朝食を頂こうと 部屋を移動するアンダーテイカー。
「ヒヒ…ッ 怒ってるグレースもとても可愛らしい。今夜も楽しみだ…」
そんなことを考えていた。
「グレース〜。お昼ご飯は何を作ってくれたのかな〜??」
キッチンをひょいと覗き込む。
「ん?グレース、なんだいなんだい? 手紙が来てたのかい?」
テーブルにはすでに昼食が用意されている。
そのテーブルの横で少し嬉しそうな顔をして何かを読んでいるグレース。
「アンダーテイカーさんっ!シエル君からお手紙がきてます!
お茶会……?というものに来ないかって!」
嬉しそうにはなすグレース。今朝のことはもう忘れたかのようだ。
「…………」アンダーテイカーは少し黙り込む
「お茶会というものにはいったことがありません…綺麗なお洋服で行くのがいいですよねっ…あとは、お菓子とかも用意するものですか??」 グレースはアンダーテイカーに次々と問いかける。
「グレースは、そのお茶会に行きたいのかい?」
「はいっ…!シエル君にも、セバスチャンさんにも久々に会えますし!」
「…あの二人に会いたいから行きたいのか〜い?」
フワっ…とグレースを後ろから軽く抱きしめながら問うアンダーテイカー。
「わっ…! そ、それは、もちろんそうですけど…招待されたのが嬉しくて…」「ふぅん…」
ヒョイっと手紙をグレースから取り上げ自身も読んでみる。
手紙には、アンダーテイカー、そしてグレースの名前しか書かれていない。どうやらお茶会には2人だけしか呼ばれていないようだ。
「ん〜〜グレース〜? 小生はあ〜んまり、乗り気じゃないな〜♪」言いながら椅子へ座る。
「えっ! どうしてですか?」グレースも席へ着く。
「それはちょっと考えればわかることだよ〜。」
「???」グレースは首をかしげる。