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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった




「この人だ」と断言出来るほどでは無いが、自分の後ろにいた人物を見た。


ぞろぞろと電車から降りる人で見えなくなり、見たのは一瞬だけだった。


容姿は普通だった。20代くらいで、高身長で、スーツを着ていて…


本当にその人か、半信半疑になった。


はあ……と深い息を吐いた。


やっと息が出来る。


駅から離れても敦に言わず黙って、目的地へと歩いた。


「人多かったね、ちょっと驚いたよ」


何も答えずにずっと顔を伏せているに気づいた。


「どうしたの?ちゃん」


敦がに声をかけると、びくりと身体を震わせた。


『なんでも、ないです…』


「そう?」


敦は不思議そうに首を傾げた。


言うべきか、言わないでおくべきか。


敦は優しいから、嘘だとは思わないだろう。


だけど言うのはやめておこう、と秘密を抱えて敦の隣を歩く。




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