第4章 始まり
外に出て駄菓子屋を探していると、太宰さんに会った。
「おや、ちゃんじゃないか」
『あ、おはようございます…』
「誰かのお使いかい?」
『江戸川さんの、です』
「もう、出張から帰ってき来たのか」
『多分。…さっきは居たので』
太宰さんと他愛のない話をして、私は気になってたことを聞いてみた。
『あの、今日休むんですか?』
遅れる事はたまにあるけど、休む事はほとんど無い。
「いや、…少し気になる事があってね」
急に真面目な顔をする太宰さんにびっくりした。
『気になること…?』
「ほら、最近テレビで聞くだろう。女性が暴行されて殺された事件」
その事件は、太宰さんが言った通り。
女の人が、暴行をされた上で殺された事件。
でも暴行は暴行であっても、普通の暴行じゃない。
ちょっとアレをしてての暴行。
みだらな行為って言うのかな…。
視線が無意識に下がる。
どうしてか、私は顔をあげられなかった。
「大丈夫かい?」
『!!大丈夫です…』
太宰さんは何を考えて何を思っているのか分からないから、怖い。
「まだ犯人捕まっていないから危険だ。一緒に着いて行くよ」
『はぁ、ありがとうございます…』
そうして私たちは歩き始めた。