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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第10章 止められなかった



「仕事の疲れを癒して欲しいな」

またそんな巫山戯たことを言う。

『女の人....彼女がいるならその人にしてもらえばい──』

手首を掴まれて、言葉を遮られた。

面と向かって言われた。

「なんでそんなこと言うんだい?」

言葉に詰まる。

女の人と一緒にいる所を見た、なんてそんな事は言えない。

「一応妻もいる身なのに、浮気なんかする訳ないじゃないか」

"一応"って言った事に少し引っかかった。

『それなら、私に手を出さないでよ』

「それは無理なお願いだなあ。それより、誤解を解かないとね」

私の髪を撫でながら言う。

「その女の人って言うのは、塾の生徒だよ。彼女を家に送っただけでもちろん、何もしてない。関係もない」

言い終わったかと思うと、私の首筋にうずめた。

痛みに気づいて、『痛い』と言うと離れてくれた。

「白い肌に映えて綺麗だよ」

そう言われて、キスマークを付けられたことに気付いた。

「嫉妬してくれたんだよね、嬉しいよ」

『ち、ちがうっ』

なんでこの人は違う方向へと解釈してしまうんだろう。

「でも酷いよ。愛してるのは君一人なのに」



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