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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第9章 1割のお礼



気づけば朝になっていた。

布団から起き上がって、気づく。

あの人はもう先に出ていた。ちゃんと前のように朝食もある。

『いただきます』

手を合わせて、ご飯を一口食べる。

まだ少し温かい。

彼のことは好きじゃない。むしろ嫌い。料理が上手だから私が好きな料理が出ると少し悔しい。

『....甘い』

それに、甘めな卵焼きが好きなのを知ってるのも気に食わない。

ちょっとだけ、食べる気が失せた。

おかずの品の量が多いのも、そのせいだけど。

食べれる分だけ食べて、それから探偵社に行く準備をした。












『あ、』

外に出ると、運がいいのか悪いのか敦さんと鏡花ちゃんにばったり会った。

「おはよう」

そう言って微笑む敦さん。

『っ、おはよ、ございます....』

自分でも分かるくらいにドクドクドクと心臓がうるさい。

敦さんの顔を見ると、なんでか分からないけど昨日太宰さんとしたのを思い出した。

それと同時に後悔が押し寄せてきた。

自分の最低さにも気づいた。

「ちゃんも一緒に行かない?」

敦さんはそう誘ってくれたけど、このまま一緒に居られない。

だから、断った。

『忘れ物したかもしれないので、ちょっと部屋戻ります……』

不自然すぎたかもしれない。

でも、私にはそれしか思い浮かばなかった。

私は2人が先に行くのを待った。

少し距離がついたかな、と思う所で外に出る。

ちょっとだけしか進んでいなかったので、私は凄くゆっくり目に歩いた。


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