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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第8章 夢見るために



ぱちり、とは瞼を開けた。

「あれ、もう起きた?」

太宰の言葉で恵美は気付く。

『ここ...』

──太宰さんの部屋?

自身には布団が被されている。

「私の部屋だよ。ちゃんぐったりしてたから此処まで運んだんだよ」

『あれから...?』

「覚えてないのかい?」

太宰はニヤつきながら答える。

「1回シて、それからは数えきれないほどしたんだけどなぁ...本当に覚えてない?」

は思い出すように、視線を上に向けた。

『......。何言ってッ!?』

確かに1回したのは覚えている。

だが、それ以降のことは覚えてない。

『そんなにしてな、い...はず...』

「じゃあ、今からするかい?」

太宰は近寄り、キスが出来る程まで近づいた。

『ぃ、いや、あ、う...その、今何時ですか?』

「ああ、時間?今は...」

太宰が時計を見た隙に、は離れる。

「7時だね、夜の」

『えっ』

どうしよう、とは不安になった。

樹戸の事もあるし、何より一番大事な探偵社に戻ることをしてない。

『探偵社...戻らないと...っ』

布団から出て、は玄関に向かおうとするが、太宰に止められる。

「今から戻ったって誰も残っていないよ。明日顔出せば大丈夫さ」

『でも...樹戸さんの事もある...』

「ちゃん、君はあの人にもう縛られなくていい。ちゃんだってそれは嫌だろう?」

『......』

は黙った。そして、一つ疑問が浮かび上がる。

『なんで私こんな時間まで寝てたんだろ…』

「きっと疲れてたんだよ。だから、まだ寝てて」

ここ一週間の事を思い出した。確かに疲れてるんだな、と思った。

布団に戻ろうとしない に太宰は声をかける。

「一緒に寝るかい?」

は驚いたが、ゆっくり小さく頷いた。


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