第7章 意思
「そうだよね、ちゃん」
「黙っていたよね。そして、出ていった」
震えて、答えられずにいたに問い詰める。
『ち、ちが、違う...』
ふるふるとは首を横に振る。
「違う?嘘は良くないよ。悪い子だ」
「──本当に貴君とは親子の関係か?」
福沢はあまりにも の様子が可笑しいと、樹戸に聞いた。
「...親子に見えませんか? の事はなんでも知ってますよ」
舐めるような視線でを見る。
「...」
福沢と国木田は何も言えずにいた。
「なら、ちょっとだけでも を貸してもらませんか?」
いきなり樹戸の提案に2人は目を見開く。
「社長どうしますか...」
小声で話しかける。
「2人の関係は怪しいが、どうしようもできん」
「許すんですか?」
「...あぁ」
国木田は何か言おうとするが、福沢に止められた。
「許しはするが、一つ条件がある」
「何ですか?」
「必ずを帰すと」
すると樹戸は、にこりと微笑んだ。
「大丈夫ですよ、ちゃんとここに帰らせますから」
え、と思った だったが、「失礼します」と言う樹戸に手を引かれた。