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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第6章 気持ち



例の事件は、探偵社や警察の調査を嘲笑うかのように続いている。そして、ある日太宰はを呼んだ。


呼ばれる意味を知らないは困惑する。


『なんですか、話って...』


「そう、聞きたいことは今起こっている事件に関してだけどね」


はい、と言い頷く 。


「ちゃんはこの事件の犯人を知っているのじゃあないかい?」


その言葉を聞いて、は目を見開いた。


『知って...ないです』


視線は太宰から外れ、足元に落ちた。


いつの間にか、は左腕を押さえ握っていた。


きっと太宰はこう言いたいのだろうと、は思った。


───この事件の犯人は君の父親だろう、と。


でも、そんなこと確信して言えない。


は太宰に薄々気づかれていると思っていたからだ。


「大丈夫かい?」


微かに震えているに声を掛けた。


───何もかも見抜かしているようなその目が嫌いなんだ。


今の状況には合わない事を思った。


は恥ずかしいような気持ちで一杯だった。


「腕どうしたんだい?」


何でも無い、と言う様には首を横に振った。


「見せてみ給え」


太宰は腕を掴んで袖を捲りあげた。



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