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【文スト】君の笑顔が見たいから【R18】

第11章 憂愁



歩いている数十分、特に話さない。


口下手だから敦に何か話しかけたいけど出来ない。言えない。自然と視線が下がって俯く。


沈黙が続いて侘しさが増す。


寂しい気持ちもあるけど、敦の隣にいることが何より凄く幸せだった。


「あれじゃないかな」


は敦の声で顔を上げた。


敦が指をさしている方向を見てみる。遠くからでも見える東京タワー。


見上げて見ると、青空で先程雨が降っていたようには見えない。


高い位置にある太陽の光が射していて眩しそうに、は目を細める。


『すごい……』


「うん、本当に」


の小さなつぶやきに敦が相槌を打った。


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