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Gerbera~原作沿い長編~【ハイキュー】

第9章 練習試合 対青葉城西戦




ジャンプサーブというのは、とても難易度の高いサーブだ。
コントロールするのが難しい為に、大体は7、8割の力で打つことが殆どだ。それなのに、あの威力とコントロール。

『凄い。』

及川さんは、宣言通り蛍の真正面にサーブを放った。
取り損ねて蛍の弾いたボールは2階の柵に凄い勢いで当たった。
あんなサーブ、東京のインターハイ予選なんかでもなかなか見ない。完全に全国レベルだ。
恐ろしいのは、及川さんにとっては1発目のサーブで、尚且つ相手のマッチポイントだということ。
練習試合とはいえ、あんなに正確にあの威力でジャンプサーブを決めてくるなんて。


次々とサーブを宣言通り蛍へと放つ及川さんを、私はただ見蕩れたように呆然と見つめていた。









結局試合は、日向くんの綺麗に決まったブロードで終幕を迎えた。
日向くんがとっても緊張してしまったりだとか、及川さんのサーブだとか、色々なことがあったけれど、これからの課題を見つける為の良い練習試合だったと思う。
あと、蛍に聞いたのだけど、私が出ていったすぐ後に、日向くんは影山くんの後頭部に思い切りサーブをぶつけたらしい。
私も少し見たかった。

ふと気が抜けて思い出す。

『はちみつレモンっ!』

「ん?さん、どうかした?」

『澤村先輩、私、差し入れにはちみつレモン作ってきたんです。』

「え!?本当?」

『はい。』

自分のカバンに移動して、ガサゴソと中身を漁って保冷バッグに入れておいたはちみつレモンを取り出す。

『昨日から作っておいたので、よく浸かってると思います。良ければ皆さんで食べて下さい。』

「さん、ありがとう。」

『私、青葉城西の方にも作って来たのでお届けしてきます。』

「おう。1人で大丈夫?清水と一緒に行くか?」

『いえ、さっき及川さんとお話する機会があったので大丈夫です。』

「そうか。じゃあ宜しく頼む。」

『はいっ。』

澤村先輩の許可をとったので、タッパを持って青葉城西メンバーの集まるベンチへと移動する。
近くまで行くと、すぐに、及川さんが気づいてくれた。


「あれ?ちゃん!どうしたの?及川さんに会いに来てくれたの?ん?それなに!?」


及川さんの声を皮切りに、続々と私の周りに人が集まってくる。





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