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Gerbera~原作沿い長編~【ハイキュー】

第6章 三対三




月日は流れ、クロちゃんと研磨が次々と音駒高校に入る頃には、私はマネージャー業が楽しくて仕方がなくなっていた。
猫又先生の計らいでお邪魔させて貰った音駒高校には、夜久衛輔くんや海信行くん、次の年から山本猛虎くんや福永招平くんも入ってきて、必死に頑張る姿に、私はまた守りたいものが増えたと思った。

この頃には、体調を崩すことも少なくなっていた。
少し体が強くなったのもあったし、のめり込んで無理をすればそれとなく研磨もクロちゃんも気にかけて止めてくれた。衛輔くんが気にかけてくれたこともあった。

結局、この頃の私はもう知ってしまっていたのだ。
皆が必死に練習する姿が輝いて見えることも、試合に勝って笑う嬉しそうな顔も、サポートすればありがとうと嬉しそうに帰ってくるその声も、全部全部、毎日毎日、バレーに関わって、皆に関わることがこんなにも、楽しくて嬉しいことなのだと。

東京を離れて、研磨やクロちゃん、音駒の皆と離れてしまって、2人がいないのに、それでも烏野高校の男子バレー部のマネージャーをしようと思ったのは、もちろん自分が今まで培ってきた事が役に立てばとも思ったし、助けになりたいとも思った。でも、もしかしたら自分の中で研磨とクロちゃんと私を繋ぐバレーボールという共通点をそのまま残していたいという気持ちもあったかもしれない。
何となく、まだあやふやな気持ちでいたのは確かだったと思う。

でも、ついにやってきた土曜日。
目の前で繰り広げられる、1年生を入れた3対3の練習試合。
試合が進めば進む程、高鳴る鼓動は抑えられず、1人1人コートの上で動く選手達の姿に、私は釘付けになった。


『·····っ凄い。』


澤村先輩のレシーブ力が凄い。
攻撃に繋げる為にはレシーブが必要不可欠で。
でも、レシーブは一朝一夕で学べるものではなく、努力によって実力が積み重なって行くものだ。
烏野高校は、最近は落ちた烏と言われて悔しい思いをしてきたと聞いた。それでも、いつか来るチャンスを信じて、きっとこの人は積み上げてきたのだ。信頼と実力を。


田中先輩は、仲間を信じるその心が凄い。
まだ出会ったばかりの日向くん達をあんな風に鼓舞することが出来るなんて。バレーボールにメンタルの問題は付き物だ。
でもきっと彼は、そんな問題などおかまいなしに仲間を盛り上げる力を持っているんだろう。






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