第22章 インターハイ予選 対伊達工業戦
声のした方を見てみると見たことのない先生がこちらに向かって手を振っている。
「バレー部がテレビに映ってますよー!」
「テレビ!!?」
その先生の言葉を合図に、西谷先輩と田中先輩が早速校舎に向かって走り出した。
『テレビだって!2人共映ってるかなっ?』
「ツッキーは試合に出てたし映ってるかもね?」
『わぁ、私たちも早く見に行こうよ。』
「走ると転ぶよっ…て、っ。」
『大丈夫、転ばないよっ。』
逸る気持ちをそのままに、蛍と忠くんの手を引いて走る。
急いで職員室に向かって中に入ると、宮城県のローカルらしいテレビが映っている。
「ローカルじゃないですか。」
蛍がぽそりとつぶやいた。
やっぱりローカルらしい。
皆映るだろうかと、テレビを見つめてみる。
画面に映ったのは東京でも見たことのある白鳥沢学園のエース。
『牛島さんだ。』
「ぁ、、ちゃん。知ってるの?」
隣にいる山口君に問いかけられた。
『うん。前に春高で見たの。とってもいい人だったよ。迷子になってたところを助けてくれたの。』
「えっ、そうなの?」
『うん。…わぁ、やっぱり白鳥沢強いね、点差が凄い。』
白鳥沢の紹介の後に画面が切り替わって、今日行ってきた体育館が映る。
画面が切り替わってパッと映ったのは及川さん。
こうして映されるってことはやっぱり強いんだ。注目されているってことだもんね。女の子のファンも多いらしい。及川さんの名前を呼ぶ黄色い声援がテレビから流れている。
[そして明日、この青葉城西に挑むのが、ベスト8確実と思われた伊達工業をまさかのストレートで下し勝ち上がってきた、古豪烏野高校です。]
テレビからついに烏野高校の名前が聞こえた。
映るかもしれないと思うと興奮してしまって、前のめりになるし、つい隣にいた蛍の腕の袖をツンツンツンッと引っ張ってしまった。
試合風景なんかが映るのだろうか?
どこの場面かな?皆とっても格好良かったから、どの場面が映っても素敵だな、なんて考えていたのだけれど。
[明日の3回戦の相手の烏野高校の印象を聞いてみました。]
映ったのは烏野メンバーではなく及川さんだった。