第4章 烏野高校バレー部
部室を出て、最初は備品室へと向かった。
ドリンクの粉や、予備のタオル、テーピング用品から、救急箱。
他の部活の人達も使うとあって、様々な物が収納されていた。
タオル等を洗濯する洗濯機も、すぐ隣に併設されていてとても使い勝手が良さそうだ。
マネージャーの仕事は、ドリンク作りはもちろん、選手へのタオルの提供、スコア、床に落ちた汗を拭いたり、ボールを綺麗にしたり、体調チェック、アイシングなど意外と多岐にわたる。
小さい頃は体が弱かったけれど、クロちゃんと研磨のサポートをしている間に体力も力もついて、人並みくらいには丈夫になったと思う。
これからは高校の部活のマネージャーということで、他にもやらなければならないことがあるかもしれない。
中学校三年時、部活引退後はクロちゃんと研磨に着いて音駒高校にお邪魔してお手伝いしていたけど、所詮お手伝い程度だ。
でも、潔子先輩と二人で出来るのならば、何と心強いのだろうと思う。
先輩が既に用意してくれたドリンクボトルを言われた分だけ籠に入れ、ドリンクの粉とタオルを持った潔子先輩の後を着いていく。
「今までは一人だったから、備品室とか、部室とか往復したりして大変だったけどちゃんが入ってくれたお陰で本当に助かっちゃった。」
『私も、潔子先輩のような先輩がいてくれて心強いです。』
私がそう言うと、ふふっと潔子先輩が微笑んだ。
釣られてこちら思わずふふっと笑みが零れた。
「な!!?清子さんが!·····天使と笑い合っている!!」
と、突然少し離れた所にいた黒いジャージ姿の坊主頭の人がこちらを指さしながら向かってきた。
清子さんのお知り合いだろうか?
潔子先輩を見上げると、特に何の反応もない。
どうしたものかと、近づいてくる人をジッと見つめていると、私と潔子先輩を交互に指さしながら口をパクパクさている。
「田中!!人に指をさすな!」
「こーらー!そんなに大きい声出したらビックリさせちゃうだろー!ごめんなー。」
「大地さん、スガさん!っサーセン!!」
その後ろからまた同じ黒いジャージの人達。
黒い短髪の温和そうな人が、坊主頭の人の首根っこを掴んでいる。その後ろからグレーの髪に左目の泣き黒子の、こちらもとても温和そうな人だ。
こちらに向かって歩いてくる。